2020年9月7日

シルバーホイールの手組み完成


シルバーホイールの手組み後編。
とりあえず全ての作業を無事に終え、完成までこぎつけました。
以下、各工程の感想など。


〜仮組み〜
まずハブとリムをスポークで繋げていく作業。
上画像の前輪ラジアル組は間違えようがないほど簡単、問題は後輪。



こちらが後輪、ヨンロク組み。
ヨンロク組はいろんなところに出ていて手組みではお馴染みですが、ギア側4本組、反対側が6本組という変則組みで左右のテンション差を少なくするための割と手軽な方法ということです。
4本組、6本組などタンジェントの組み方はネットや別の自転車をじっくり見ながら作業。
組み方自体は大きな問題もなかったですがスポークをクロスさせるタンジェントの場合、端から順に繋いでいくと最後の方でスポークがリムに届かなくなる症状が出ます。
これをうまくやるにはクロスする二本のスポークをひと組みと考えて一本目を先に全部つなぎ(一つ飛ばしということ)、一周したらその後二本目を繋いでいく、という感じでやるとうまくいく。

ちなみにリムの中にはバリやつなぎ目の接着剤などが結構残ってるので、ライトで中を照らしながらほじくり出しました。結構ボロボロ出ます、これだけで数グラムは変わりそう。


〜振れ取り〜
スポークを全部繋いだあとはニップルを締め込んで振れ取り、センター出しをします。
こちらもYouTubeなんかで勉強してから実行。根気強くやれば素人でもかなりのとこまで詰められます。
これも前輪はほぼ問題ないが、後輪は左右のテンションの違いに辟易する。
ギア側のスポークを太くして左右テンションを変え、ヨンロク組みで組んでみたが、それでもまるで片側のスポークだけでホイールを維持しているかんじ。
比率は感覚的にギア側が10なら反ギア側は6くらい。それまでスポークテンションなど気にしたことなかったが、持っている他のホイールも測ってみるとやはりだいたいその程度。
振れ取りよりもテンションのバランスに時間がかかった。
とりあえずどれくらいのテンション差であればセンターが出るか、感じを掴んでから振れ取りした方がいい。

途中、ギア側の強すぎるテンションのためニップルを舐めてしまう。おかげで1週間ニップル待ちで作業できず。ニップルは初めから余分に用意しとく方が吉。

ヨンロク組のテンション差是正効果については、そもそも無茶なことを気持ち程度緩和するというかんじ。
11個のスプロケを片側につければ当然ホイールの中心はものすごくスプロケ側に寄ってしまう。手組みでリムをこの中心に持ってくるには、ギア側のスポークテンションを思いっきり強くして反対側のテンションを思いっきり弱くするしかない。完組にはそれを是正するオフセットリムなんかがあるが手組みでの選択肢は少ない。
手組みホイールが急速になくなり完組みばかりになっていくのはわかる気がする。11速フリーをオフセットもないリムで組むなんてもはや構造的に無茶なレベルに達してるんじゃないかと思える。
というか、オフセットなども含めこういう無理やりな構造のまま進化していくのって果たしてどうなんだろうと思う。

〜センターゲージについて〜
センターゲージは自作してる人も多く自力でなんとか出来ないかと考えてましたが、ホイールひとつくらいなら実は作る必要もないんじゃないかと気付く。



こういう感じで同じ高さの台を二つ並べて、真ん中に雲台を外した小さい三脚を置く。雲台は大抵ネジ一本で固定されてるのでクルクル回して外すと上を向いたネジが出てくる。





左右の台の間にホイールを乗せ、三脚を引き上げて三脚先端のネジがハブのロックナットに触れるところで固定、そのままホイールをひっくり返せばセンターのズレがわかります。
いろんな代用品で似たようなことはできそう。





最後にリムテープはシマノ、ひとつ16g。テープというよりうすいプラスチックの輪。


タイヤ装着のように無理やりはめる。

とこんな感じでだいたい完了。
結局のところ出来はともかく手組み自体はそれほど難しいわけではなく、肥大化した今のスプロケが無駄に難易度を上げているといったかんじ。手組みホイールは安く好みのホイールが作れ愛着も格別のものになるので、減少していくのはなんとも勿体無いと思う。

NOVATEC A171SB

NOVATEC F172SB

トータル1570gくらいの重たいホイールになったが剛性は高そう。




あとは実際に乗って馴らしてから再調整しようと思う。



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