2020年8月18日

シルバーホイールの手組み


 



クロモリがあるなら銀輪を付けたいと思いつつ2年経ってしまいましたが、ふと気づくと最近はkinlinのリムすらも黒のみしか見なくなり、手に入るレベルのシルバーリムやシルバーホイールはますます減っている気がします。
めぼしいところではTNIのAL22(これも元はkinlinですが)、H PLUS SON、マビックなどですけど、よく見るとシルバーで選択できるのは28H以上とかホール数に制限がある。マビックに至っては32H以上。
ひょっとして24H以下は一つも選択肢がないのでは?となんだか危機的な気分になりましたが、見つけました。リムハイトが高くなりますが同じくTNIのAL300。
これまで手組みはやったことないものの、今やらないとできなくなりそうな雰囲気に思わず押さえてしまいました(笑)


こちらTNI AL300 (kinlin XR300)  20h/24h
現状手に入る唯一の20h/24hシルバーリムかも。
リムハイト30mmあるので軽量化は望めませんが剛性が高くわりと評判のいいリム。リムハイト30mmのシルバーポリッシュは逆に存在感あっていい。

2本(前20h、後24h)で10700円。


シルバーハブも色々探してみたが、こちらもほとんど選択の余地がない状態。TRADIZIONE(トラディツィオーネ) が定番というかこれくらいしかないのだが、どうせOEMなら大元の方ということでNOVATECを探す。

NOVATEC A171SB /F172SB。
aliexpressで前後ペア7000円。気長に待って3週間で到着。




重量はあるのでこの時点で軽量化は諦める。
TRADIZIONE(トラディツィオーネ) ZEROならかなり軽量になるが価格が倍以上になる。それに何より色気がない。大元のNOVATEC A291SB/F482SBにはシルバーは見当たらなかった。
ロゴはただのシールかと思ってたが上からコーティングがされて剥がれない。

リアハブF172SB 24H。



今回はスポーク本数も少なく手組みも初めてなので星のプレーンスポークで。
リアのギア側だけ14番(2mm)で他は15番(1.8mm)。
なぜかスポークだけはシルバーの選択肢が大抵あって不思議。
ニップルはDTアルミ。
リムテープはシマノ。
これらまとめてPAXで購入、合計3036円。

しめて合計20736円のホイールとなります。



〜スポーク長計算について〜
手組みホイールを初めてやって障壁と感じる工程は、
タンジェント組みがちゃんとできるか、
振れ取りがちゃんとできるか、
そしてこのスポーク長計算が正しく出せるか、の3つだと思う。
結論から言うと手組みで一番面倒だったのがこれ。
後の二つはネットの先人達の解説をよく見ればなんだかんだ出来てしまう。たとえ失敗してもやり直しがきく。

スポーク長計算は現物がないのに机上の計算だけでサイズを出さなきゃいけないのが厄介、間違ってても実際に組んでみるまで間違えたことに気づかない。
各数値は大抵ネットにも出てるが、間違ってる時もあれば解釈の違いで合わない時もあってあまり鵜呑みにできない。現実問題としてリムとハブを先に用意して実物のサイズを測ってみないと信頼できるスポーク計算はできない。

計算といっても三角関数を用いた計算(そんなもの覚えてない)なのでネットの計算サイトを利用する。数カ所のサイトで計算して数値が正しいか照合する。
参考までに今回出した数値はこちら。
<TNI AL300 リム> 
ERD 577mm

<ノバティック A171SB /F172SB ハブ>
PCD フロント38mm/リア49mm 
OLD フロント100/リア130mm 
FTF(フランジ間距離) フロント68.5mm/リア53.5mm
リアハブオフセット 9.9mm
ロックナット-フランジ間距離 フロント 15.7mm リア左28mm & 右48.5mm

今回割り出したスポーク長
フロント/ラジアル組
270mm x 20本
リア/ヨンロク組
右276mm x 12本、左290mm x 12本


参考にしたサイト
ノバティックパーツガイド
ノバティック各年代のカタログ


〜手組みホイールの道具〜
道具は最小限で揃えた。
テンションメーターとDT用のスポークレンチ、あと振れ取り台。
センターゲージは何かで代用しようと思う。



中華製?のテンションメーターとゴリックスの振れ取り台、スポークレンチはパークツール。
定番のミノウラやパークツールなんかで全部揃えるとホイール代を超えてしまうが(笑)評判もそれほどでもないし、個人で使うには無駄だと思う。
今回のものでも十分しっかりしてるし特にゴリックスの振れ取り台は思ったより安定感があり折りたたむとコンパクトになるので便利。テンションメーターも構造自体は単純で値段ほどの差が出るとは思えない。

後半へ続く


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2020年8月3日

真鍮エッチングでヘッドバッジ(エンブレム)の自作



真鍮板を腐食液で溶かし、その後黒染めして作成。






元は0.5mmの真鍮板で、薄くて加工はしやすいものの安っぽく見えるので、
立体感を出すために二つのパーツを重ねてある。


こちらのパーツは同じものを二枚貼り付けさらに上げ底。


凹部は黒染め液でエイジング。
これも立体感が出るので何かしらの塗装は効果的。




試行錯誤の末になんとかここまで。
これを自転車のヘッドチューブのエンブレムにします。
ただフレームの再塗装もする予定なので、出番はまだ先。




エッチングに関して


使用した腐食液はこちら。


最初の実験。
絵柄は第一案だったもの。
マスクはカッティングマシンで作成。

真鍮板に貼り、原液の腐食液に漬けると、

マスク以外のところだけ侵食する。

単純に浸け込めば一応侵食はするが、数時間浸けてもあまり凹凸ができず、0.5mmの板でも穴も開かない。また細かい造形のところはマスクをした部分まで侵食される。

大体この手のことは一筋縄では行かないが、試行錯誤して一応効果があると思えたコツを列挙。

侵食を促進する手段
1:素材の脱脂 
2:腐食剤を温める(4〜50度)、冷めたら何度も温め直す
3:エッチングする方を下向きに浸す
4:腐食させる必要のない部分は極力マスクをしてエッチング面積を小さくする

これで1〜2時間もやれば大体満足できる凹凸になる。
これでも不足な時、
5:クエン酸を腐食液に入れる

綺麗な仕上がりにする手段
1:短時間で終わらせる、1時間半くらいで十分。長くやるとマスク部分も溶け出す。
2:作業前に脱脂する、作業後に重曹水で速やかに中和する
3:真鍮は銅と亜鉛からなっている合金。腐食液に浸けると先に亜鉛が溶け出すようで、残った部分は銅色、赤みのあるあまり綺麗とは言えない色になる。これが嫌な場合、亜鉛めっきという方法もあるらしいが、手っ取り早く回避できる方法は見つけられず。黒染めをすると多少和らぐが赤っぽさは消えない。


追記:黒染めについて

黒染め液はバーチウッドのプレストマグ。

1:染める前に極力研磨と脱脂をする。
2:素材や黒染め液を温める。
3:原液でやらず水で5、6倍に薄めて塗る、数分で乾くのでなんども塗り重ね少しずつ濃くしていく。
4:黒染め液はわりと高いので綿棒につけて必要な部分だけ塗ったが、丸ごと漬け込んだ方が均一に染めるにはいいのかもしれない。


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